体外受精に鍼灸を併用して妊娠に至る3ヶ月の記録3-妊娠判定後
たまきさんの不妊治療体験レポートの最終回です。今回は妊娠判定後の経過です。
院長 宮下陽子
妊娠判定後
5週目
胎嚢が確認できず、急遽血液検査を。
ホルモン値が1377と低い(通常2000)。着床が遅れたためか?黄体ホルモン補充の注射。
6週目
胎嚢と胎芽が確認でき一安心
7週目
胎芽の成長が遅く、1週間後までに成長が見られない場合は厳しいと言われる
8週目
この1週間で胎嚢、胎芽ともに大きく成長。心拍も確認でき、ついに杉山産婦人科を卒業。愛育病院宛に紹介状を書いてもらい、愛育病院の初診。杉山産婦人科で行なった血液検査など全て再度受けなければいけないことに。以後、赤ちゃんは平均的な成長を続ける。
院長からのコメント
姙娠判定が頂けて胎嚢、心拍まで確認できると一安心です。たまきさんは脈もなかなか強くならず最初はとても心配でした。まず8週目を目標に頑張るように治療を続けました。
7週目くらいの時、たまきさんから「朝起きたら今までのだるさがすっかり取れて凄くすっきりした半面、もしかしたら赤ちゃんの成長が止まってしまったのではないか。」と悲しい連絡がきました。
すぐ電話でお話しして、今は赤ちゃんの生命力を信じることをお伝えしました。こんなたまきさんを見たのは初めてで私も胸が張り裂けそうでした。
私は、初診の患者様には1時間以上のお時間を割き問診をよくするように心がけています。以前、お見えになった患者さまは、5か月で流産された経験がありそこから抜け出れず、不妊治療でも先が見えない状態で苦しまれていました。
その中で、救いを求め私の治療院に来てくださった方に寄り添っていたいと思いました。流産されたことを泣きながら話して下さり私も一緒に泣きました。でも、「その赤ちゃんの生まれ変わりをちゃんと抱きしめてあげて、それが供養になるのよ。」とお伝えしたら彼女は前向きになれて半年後に赤ちゃんを授かり無事、女の子を出産されました。
補足
つわり
悪阻は平均より遅れてきて、当初は吐き気、眠気、だるさぐらいで比較的軽いものでしたが、2ヶ月ほど続いた悪阻の最後10日間は激しい頭痛に悩まされました。産院で薬の処方と点滴を受けるも効果なく、頭痛を和らげるには1杯のカフェインコーヒーが一番効きました。頭痛は24時間続いたため、眠ることもできず嘔吐も何度かり、とにかく地獄の10日間でした。
院長からのコメント
たまきさんは初期の悪阻がとても重く大変でした。もともと片頭痛をお持ちの方は悪阻の時に頭痛を伴い症状が重くでる場合が多いようです。姙娠でホルモンのバランスが崩れてしまうことが原因だと思われます。
漢方について
約4ヶ月で11回通い、杉山産婦人科からも徒歩10分ほどの所にあり、通いやすいところでした。
漢方薬は基礎体温と脈、問診(体調、おりもの、生理、頭痛、便通など)を参考に処方され、低温期、高温期、月経期によって分かれ、体外受精の周期では特に移植後は効果も値段も高い漢方薬を処方され、漢方薬ではないプラセンタもよく処方されました。私に処方された漢方の中のひとつは授乳期まで飲むのがいいとのことで飲み続けています。
また、漢方の先生は西洋医学の知識もあるため、杉山産婦人科での治療内容や投薬についても相談しました。
さいごに
最後に、宮下先生には鍼灸の治療を通して、色々な情報や経過を話せて、いつも精神的に支えてくださり感謝しています。これから不妊治療を考えている方に、少しでも有意義な情報をお伝えできればと思い私の治療の記録を書きました。
院長からのコメント
たまきさんのおかげで、不妊治療のリアルな現状がわかりました。私もこれからも沢山の方に赤ちゃんを抱いて頂けますように頑張っていきます。そして、たまきさんに感謝してこの記事を〆させて頂きます。
私の考える鍼灸は身体の治療だけでなく、心に寄り添える治療です。
たまきさんはその後無事に女の子をご出産されました。