体外受精-胚移植(IVF-ET)を行う場合の鍼灸治療スケジュール
現在、桐花堂においても体外受精と鍼灸治療を併用されている方が多数いらっしゃいます。私の今までの経験より、鍼灸の効果を考察すると、主に以下のようなメリットが期待できると思っています。
- 採卵数の上昇
- 受精卵の質の向上
- 受精率の上昇
- 着床成立の上昇
妊娠には、良い卵と良い精子、良い子宮が不可欠です。女性の卵巣には生まれた時に100万個位の原始卵胞が存在して、生理が始まる頃から毎月1000個くらいの原始卵胞が120日位をかけて成熟していくとされています。
よって、体外受精をお考えの方は、4ヶ月前くらいから、良い卵を作れるように、週1回のペースで治療をお勧めしています。私がお体の変化を診て、この期間は変動することがあります。
体外受精前後の鍼灸治療スケジュール
- 採卵の前は、週2回の治療を行う(前日も可能)。
- 採卵後は1週~2週お休み。
- 移植後からは週1~2回のペースで着床を促す治療を行う。
- 妊娠成立8週目位まで行う。
桐花堂では、このような流れで体外受精とともに鍼灸治療をおすすめしており、体外受精の患者様の成功率を上げております。
焦らずに体の状態を調えることも大切
私が患者様に心がけていただきたいと思っていることは、「焦らない」ということです。年齢や色々な要因があり患者様のお立場になって考えると、1日でも早く、治療を進めたいお気持ちはとてもわかりますが、私は、できるだけ良い結果がでるように、お体の状態を見ながら体外受精の方法をアドバイスをさせて頂くこともあります。
その一例として、通常の体外受精がなかなか上手くいかなかった方で、凍結胚移植の体外受精をすることですぐに妊娠したケースがございます。凍結胚移植の場合、採卵後すぐに移植は行われないので、それによって採卵で強い刺激を受けた子宮を休ませることが可能です。また、凍結胚移植は、移植までに期間が空けられるため、その間に鍼灸治療を行って体調をできるだけ良い状態に調えていくことが可能です。
採卵から移植まですぐに進めていくか、焦らず間を置くかは悩み所かもしれませんが、体調そのものが調っていない場合は、ひとつの方法としてご提案させていただいています。
院長 宮下陽子