薬に頼らない不眠症の治療法

不眠状態の画像

不眠によって日中の活動にも影響がでてしまします。

 不眠症の専門外来を設置する病院が存在しているように、お困りの方は現在大変多くいらっしゃるようです。一時的な不眠はほとんどの方が経験したことがあると思いますが、症状が慢性化してしまうと、日中の活動にも支障をきたしてしまいます。

 一般的な治療は、病院で処方された睡眠薬などを服用することでしょう。これによって一時的に眠ることは可能ですが、長期間のお薬を連用することに対する抵抗感をお持ちの方も多いと思います。また、睡眠導入剤ということで処方されるお薬が、精神疾患等に用いられる依存性のある安定剤であることもございます。

 今回はできればお薬に頼りたくないという方のために、当院で行っている不眠症に対する鍼灸治療の考え方と、自宅でできる睡眠障害の解消法について以下にご紹介します。

不眠症に対する鍼灸治療

 当院では不眠症に対して、「冷え」と「心身の緊張」の緩和することが重要であると考えております。不眠症に悩まされている方は冷え症でもあることが多く、不眠症と密接な関係があります。また、首や肩から背中にかけての頑固なコリがある方も多く見受けられます。東洋医学では身体と心は連動していると考えられており、身体の冷えや緊張が精神的な緊張を引き起こすことがございます。さらに、東洋医学独特の考え方として、瘀血(おけつ)という循環障害の状態も不眠の原因となります。

 それでは、以下に当院が重視している治療のポイントについて解説致します。

瘀血

 瘀血(おけつ)とは東洋医学用語で、血液の循環障害と考えていただければ理解しやすいと思います。循環障害は血液ドロドロという言葉で表現されることもありますが、それに近いイメージです。この瘀血は四肢末端の冷えの原因にもなり、これが睡眠障害を引き起こす一因とかんがえられます。

上実下虚

 また、東洋医学用語に「上実下虚」という言葉もございますが、文字通り、上が過度に充実して下が不足(虚)している状態です。上から下へ、そしてまた下から上へという循環がうまくいっていないのが上実下虚です。上実下虚になりやすい方とそうでない方がいらっしゃいますが、根底にあるのは瘀血体質であるかどうかが深く関係しています。

 上実下虚の典型例としては冷えのぼせがあります。冷えのぼせの原因は、身体下部の血行障害によって、上部へ血流が集中し、頭部の血管に過度な負担がかかっているために起こると東洋医学的には考えられています。家庭療法としてよく行われている「足湯」の目的は、足の冷えである「下虚」を改善し、のぼせ状態の「上実」も楽にすることです。足へご自分でお灸をすることでもセルフケアができます。

末梢循環を改善させることで不眠を改善する。

 更年期障害のホットフラッシュも上実下虚の一例になりますし、のぼせ・めまい・頭痛がしたりするというのも「上実下虚」が関係します。実際に不眠にこれらの症状を併発している方も少なくありません。

 心と身体は密接な関係にありますので上実下虚の状態が続くと、布団に入って安静にしているはずなのに、頭部へ血流が集中するので、日中の興奮状態がなかなか治まらず、精神的にもイライラしやすくなったり、落ち着かなくなったりという状態になります。また、たとえ寝付けたとしても、眠りが浅く中途覚醒や早朝覚醒をしてしまします。

首肩のコリ

 上実下虚だけでなく、実は身体の凝りも精神へ悪影響を与えます。例えば、首や肩の緊張が強い方は、頭部への循環が悪くなるため、思考力や集中力が低下したり、精神的にもやる気が落ちたり、緊張しやすくなったりしてしまいます。不眠症の方は、首や肩の過度な凝っているケースも多く、これらのコリを緩和することで、自然に眠られるようになっていくこともございます。

家庭でのお灸治療でリラックス

睡眠画像

薬を使わずにで不眠を解消

 近年では、大きめのドラッグストでしたら、「せんねん灸」などといった商品名で家庭用のお灸が販売されています。実はお灸をする場所であるツボを把握していれば、家でも治療が出来ます。当院では、ご希望の方には個々の症状に合わせた不眠症のツボをご紹介して、ご自宅でも治療を行っていただいております。特に慢性化した不眠症の場合は、治療に時間がかかることがございますが、治療期間の短縮をねらって家でお灸をしながら通院していただいております。

おまけ:睡眠障害の3つのタイプと自宅でできる解消法

 当院では睡眠障害の方に、以下のようなタイプ別に入眠しやすくするための方法をご紹介しております。これ以外の基本的なものとしては、心理的ストレス・心の病気・環境の変化・コーヒーなどに含まれるカフェイン等々いろいろなございますが、症状が軽度から中等度の方であれば、この方法を実践するだけでよく眠れるようになるかもしれません。

自律神経失調症タイプ

 眠れないので病院を受診すると、お医者さんから自律神経失調症という診断をされることがございます。自律神経は交感神経と副交感神経のからなり、この二つはちょうどシーソーのような関係になっています。自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れているということです。それぞれの神経の役割としては、交感神経は日中に活動しているときに優位になっており、副交感神経は休息時に優位になります。睡眠時はいうまでもなく副交感神経が優位になるべきですが、何らかの原因でそれが上手くいかなくなっていると不眠症としてあらわれることがあるのです。

 やっかいなことに、自律神経とは文字通り「自律」している神経系なので、原則としては私たちの意思でコントロールできないのですが、唯一呼吸によってのみ自律神経に間接的に働きかけることが可能です。そのため、自律神経タイプの不眠症の方は、呼吸法によって乱れた自律神経のバランスを整えることがポイントになります。以下がその方法です。

 まず、ベッドに仰向けで寝た状態で、おへその両脇に手を置きます。次に、鼻から息を吸って、口からゆっくりと長く息を吐いていきます。実は呼気時に副交感神経が優位になるということがわかっており、そのため、吐く息を長くし、これをくり返していくうちに自然に入眠ができるというわけです。

冷えタイプ

 夜の睡眠中には身体も脳も疲れ過ぎてオーバーヒートしないように、熱を放散して落ちつかせる必要があります。入眠時に、私たちの身体は皮膚の表面温度を一時的に高くして、身体の深部から皮膚表面へ放熱します。育児経験のある方なら、赤ちゃんが入眠する前に手足が温かくなり、就寝直後は汗をよくかくという体験をしていると思います。

 つまり、深部の体温が低下していく過程で眠気が発生するということなので、このメカニズムをうまく利用して、就寝の直前ではなく数時間前に入浴したり、温かい牛乳や生姜湯などを飲むことで一時的に体温を上げておき、就寝時間にかけて体温が低下して元にもどる時を見計らって布団に入ります。

メラトニンタイプ

 睡眠に関するホルモンとしてメラトニンがありますが、光によってメラトニンの分泌が抑制されてしまいますので、不眠症の方は夜に少し暗めの室内で過ごすことで眠りにつきやすくなります。家庭でできることとしては、就寝の数時間前から、白色の明るい蛍光灯を使用するのをやめ、電球色タイプの照明器具に切り替えても効果的です。また、寝る直前までテレビやスマートフォンなどの光を発するものを見ないようにしましょう。

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