顔面神経麻痺に対する鍼灸治療

主な症状

 顔面神経麻痺は、何らかの原因で顔の神経に異常をきたし、突然顔の片側が麻痺してしまう病です。顔が大きくゆがんでしまったり、まぶたが閉じられなくなったり、口が動かないため飲食に不自由したり、様々な影響がでます。

 ステロイド等の現代医学的な治療を早期に始めれば多くの方の麻痺は回復していきますが、薬物治療をしばらく行っても思うように回復していかない場合もございます。

 また、最初のうちは順調な回復をしたものの、ある時期から回復がなかなか進まないようになり、ご不安になっている方もいらっしゃると思います。

 当院ではこういった、初期のステロイド治療などを行った後に遺ってしまったベル麻痺・ハント症候群などのような、末梢性の顔面神経麻痺に対しての鍼灸治療に取り組んでおります。

効果の期待できるケースや症状

 治療効果の出やすい状態の方は、病院やクリニックなどでベル麻痺・ハント症候群などの末梢性のものと診断された方で、発症後1ヶ月半以内のものです。慢性化したものの場合は、8ヶ月以内のものまでが効果の期待を持てる対象になります。

 また、症状としては以下のような状態の方が多くいらっしゃいます。

  • 眉が動かない
  • 眉を上下に動かすことが困難になり、また、おでこに皺を寄せることができなくなります。おでこに寄る皺の本数が左右で異なるため、鏡を見ての自己診断としてはおでこのシワの数を数えることが回復しているのかどうかの目安になります。

  • 眼が閉じない
  • まぶたが緊張し、眼が閉じない。眼が閉じきらないので、涙があふれ出てきてしまいます。また、乾燥により角膜炎になる場合もあります。早いまばたきもできませんので、眼にゴミも入りやすくなります。

  • 口が開かない
  • 口を開くことができず、水を口に含むことができなくなります。麻痺側の口内を噛んでしまい、口内炎を併発することもあります。

  • 顔全体
  • 顔全体がたるんでしまったり、逆に顔全体がこわばって緊張したような感覚になります。

  • ハント症候群では耳の症状を併発
  • 末梢生の顔面神経麻痺の中に、ハント症候群と呼ばれるものがあります。その場合は、耳鳴りや難聴、耳閉感を伴ったり、めまいを併発することがあるようです。

 では、具体的にどのような治療を行っているか、以下に続けてご紹介いたします。

麻痺の発生している部分へのピンポイントの鍼治療

顔面神経麻痺でよく使用される治療ポイント

 皆さんご存じのように、鍼灸治療には血流を改善する作用があり、顔面麻痺を起こしている部分に対して、選択的かつ直接的な治療を行うことが可能です。

 症状が出る場所は、人によって様々なのですが、当鍼灸院で行う治療はひとりひとりに合わせたピンポイントの部分に行っていきます。

 麻痺の状態にはたいへんな個人差があり、治癒の過程で微妙に症状の出ている部位も変化していきますので、ご自分の状態については担当の鍼灸師に遠慮無く詳しくお話し下さい。また、こちらからも症状については毎回お聞きしてから行います。

独自の研究に基づく、手足にあるツボへの治療

当院では、古代から伝わる文献等を参考に研究し、治療に応用しています。

 また、当院では、顔面部へ直接鍼を行う他に、独自の研究に基づいた、手足にある顔面神経麻痺に対して効果的な経穴(つぼ)へ鍼や灸を行います。現代的な考え方の他に、古来から伝わる鍼灸学の文献研究を独自に行い、伝統的な経絡や経穴を利用した治療も行うということです。

鍼灸で過労とストレスを軽減する

当院へご来院の患者様との面談で受ける印象は、その多くの方が過労もしくはストレスが根底にあるようです。

過労の度合いは睡眠時間からも推し量ることができますが、5時間前後の睡眠を長年続けていらっしゃったり、ひどい方の場合ですと、毎日3時間前後の睡眠であったりします。睡眠は疲労を回復させるための大変重要な手段になります。疲労時には当然免疫力も低下しますので、顔面神経麻痺の原因と考えられているウィルスへの抵抗力も鈍くなってしまうわけです。

また、強いストレスのある方もベル麻痺を発症しやすく、ストレスにさらされている最中はもちろんのこと、ストレスが解決した後に体調を崩すという方も多くいらっしゃいます。

鍼灸治療はストレスへの耐性を強めたり、疲労を軽減させる効果がございますが、当院では、部分的に顔へのみ治療を行うのではなく、身体を全体的にみていくことを重要視しておりますので、もし顔以外で何か身体の不調をお感じの場合は、治療効果をあげることにもなりますので遠慮無くお伝えください。

日本式の繊細な鍼を使用しますので、痛みは最小限に抑えられます

日本式の繊細な鍼の操作には高い技術が要求されます。

 当院では使い捨てタイプの安全な鍼も使用しています。また、太くて痛みの強い中国式の鍼を採用せず、日本式の繊細に作られた鍼を使用しています。

 なお、当院では鍼への低周波通電刺激は行いません。

WHOの顔面神経麻痺に対する鍼灸治療の見解

 WHO(2002年)の鍼灸の臨床試験報告レビューと分析によれば(※1)、顔面神経麻痺(Bell’s palsy)についても触れられており、その中では「治療効果をみせることがあり、さらなる試験が必要とされるもの」と分類されており、研究途上であるものの、治療が効果的であるという見解を示しています。以下に実際に当院で行った治療の例をいくつかご紹介します。

参考文献:※1『Acupuncture: Review and Analysis of Reports on Controlled Clinical Trial』(World Health Organization,2002年)

治療例

60代女性 短期でほぼ完治した例

case01

 顔面神経麻痺の発症から7日目に当院に来院。完全麻痺で右顔面を動かすことができない状態でした。病院の医師からも気長に治していきましょうと言われたようです。

 1回目の治療後から数日して急に顔の動きがよくなり、2回目の来院時にはまだ不完全ながら口も目もよく動く状態になりました。一番動きが悪いと訴えていたのは額にしわを寄せることが難しいことでした。

 3回目の来院時には顔の表情をつくるのは問題がなくなり、額にしわを寄せることもできる状態になりました。患者さん本人の感覚では他の口や目よりも額はがんばって動かしている感じということでした。

 3回の鍼灸治療でほぼ完治しましたが、その後も唇の外端や目じりが突然ピクピクしたり、麻痺以外にも首・肩・背中のこりも強くあったので継続して治療し、半年程で治療を終えました。

 すべてのケースがこの症例のように順調にいくわけではありませんが、西洋医学の投薬治療と並行して鍼灸治療をすることで回復力をより高めることが期待できます。

※施術の結果には個人差がございます。施術例は効果を完全に保証するものではなく、参考として掲載していることをご理解いただきますようお願いいたします。

70代男性 長期間継続して回復した例

case02

 ハント症候群の発症から3ヶ月たってから来院。病院から処方される薬だけで治療を継続し、一向によくならないので鍼灸治療を選択されました。

 発症から3ヶ月たっても顔面のゆがみがひどく、目も開閉するのがスムーズではなく、病的共同運動も少しでている状態でした。鍼灸治療の開始から2ヶ月してようやく目を完全に閉じることができるようになり、3ヶ月程で口のゆがみがかなり改善し、喜んでおられました。かなり重度の顔面神経麻痺でしたので初診の時はどこまで改善できるかと思っていましたが、結果的には約1年間の治療で完全回復まではできなかったものの、口のゆがみはなくなり、目の開閉もかなりスムーズになりました。

 ハント症候群は治りが悪い症例が多いのですが、やはり発症からできるだけ早く鍼灸治療を開始することで回復力を少しでも高める可能性がでてくると思います。

※施術の結果には個人差がございます。施術例は効果を完全に保証するものではなく、参考として掲載していることをご理解いただきますようお願いいたします。

期間と費用について

 基本的に最低週に1回程度の頻度で行うと効果的ですが、発症直後から2ヶ月程度の方の場合は、頻度を増やすことで効果がより得られることもございますので、可能な場合は週に2回のペースをご提案しています。また、期間には個人差がありますが、約2ヶ月程度の間にほとんどの方に改善がみられます。

 発症後3ヶ月以上経過している方の場合は、週に1回のペースで通院していただきます。期間は2ヶ月程度みていただき、症状の状態を見ながら中止や継続の決定をしていきます。

 なお、症状名別では、ラムゼイハント症候群と診断された方の場合は治療が通常より長期にわたることがございます。

料金

 初 回  7,000円

二回目から 5,000円

お早めにいつでもご連絡ください

 病院などで現代医学的な治療後、何も対処せずに放っておいた場合、そのまま自然治癒が進む場合と、それ以上回復しないケースがございます。症状が出てから長く経ってしまったケースの方が、やはり改善することが難しいことが多いようです。一方で、早期から残ってしまった麻痺の改善のために鍼治療を積極的にご利用され、順調に回復される方もいらっしゃいます。

 もし麻痺の症状が残ってしまった場合はすぐにお電話または以下のメールフォームよりご相談ください。メールでの受付は随時いたしております。

顔面神経麻痺担当鍼灸師 蛭子喜隆
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料金

1回目:7,000円

2回目より:5,000円

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